共有財産はどのように分ける?

交渉前のリスト作りから

共有財産を分ける場合、どのような財産があるのかを正確に把握する必要があります。
夫婦で話し合う財産は、いわば申告制なので、隠されれば対象外になっていしまいます。
よく考えて、まずはリストアップしましょう。

それがすんだら、共有財産の金額を割り出します。
最初に、リストからプラスの財産の総額を計算するのですが、家や株式などの不動産はその時価評価額などを基準に、車などは中古価格の査定を参考にして、金額を算出します。
次に、返済が終わっていないマイナス財産の残高を計算します。

このようにしてプラス財産をマイナス財産の全額を確認したら、それらの差額が共有財産の目安額となるわけです。
ここまで準備できたら、具体的な話し合いができます。
仕上げに、自分が欲しいものの優先順位をつけておけば、交渉がしやすくなります。

分割割合は貢献度によって決まる

財産分与の割合は、夫婦が合意すれば自由に決めることができますが、実際には裁判所の判例などを参考にするケースが多いようです。
この場合、寄与度といわれる貢献の度合いを評価対象の一つに入れ、割合を判断します。

寄与度は、財産の形成にどれだけ役に立ったかをはかるのも。
最近は、専業主婦の場合でも2分の1の分与が認められるようになりました
これは、寄与度が収入の差ではなく、それぞれの役割分担を考慮した結果で、夫婦平等と認識されるようになったからです。

だからといって、この基準がすべての専業主婦にあてはまるとは限りません。
家事をまったくしなかった妻と、家事をこなしながらパート収入で家計を助けていた妻とでは、割合が違ってくるのは当然といえます。

このほか、婚姻期間や職業による収入形態など、あらゆる事情が判断要素になります。

借金の連帯責任と連帯保証人

夫婦のどちらかが借りたお金に対して、配偶者には連帯責任があり、返済の義務が民法で定められています。
しかし、離婚をすれば、前配偶者の債務を負う義務はありません。

問題は、借金をしたとき、債務者(お金を貸す側)との間で連帯保証人になる旨の契約書を交わしていた場合です。
この契約は、離婚によって消滅することがないうえに、離婚を理由に解除することは、ほとんど不可能といえます。

そのため、離婚後に債権者から返済を要求されれば、本人に代わって返済しなくてはなりません。
連帯保証人とは、債務者と同じ責任を負うことを認識しましょう。

対象外になる借金

借金が、夫婦いずれかの遊びや買い物、ギャンブルなどのためにつくったものである場合、結婚生活とは関係のないマイナスの特有財産と見なされるので、財産分与に含む必要はありません。

妻の分与割合の目安

妻が専業主婦の場合

以前は30%程度しか認められなかったが、最近は、家事労働や内助の功に対する寄与度が高く評価され、50%とすることが多い。

共働きの夫婦の場合

夫婦の職業によって、極端な収入差、専門的な能力差、労働時間差などがある場合を除き、基本的には夫婦平等とされる。

夫婦で家業に従事している場合

従事内容と家事労働がどの程度かを評価する必要があるが、通常は共働きの場合とほぼ同じと見られ、50%前後とすることが多い。