離婚裁判はどのように終わるの?

判決が出る前に終わる場合

離婚裁判は、通常、審理を尽くしたところで判決が下されて終わりになりますが、その前に決着することがよくあります。
非公開が可能とはいえ、基本的に公開の法廷で行われることや裁判を実際に体験することで、争う気持ちに変化が出たり、自分たちの状況を認識したりするのでしょう。
それまでの態度が急に軟化して、話し合いに応じるようになるようです。

双方が歩み寄るときの多くは、裁判官の和解勧告に応じるケースです。
しかし、それでは戸籍に「和解勧告」の記載が残るので、裁判の途中で訴訟を取り下げて、改めて夫婦間で離婚協議を行うケースもあります。
いずれにしても、その時点で裁判は終了します。

判決が確定したら必要な手続きを

途中で和解も取り下げもなく、結審といって審理が終わると、1か月後くらいに判決が出ます。
判決が言い渡される日に出廷しなくても、内容が記載された判決書が送達されてくるので、原告側からも被告側からも不服申し立てがなければ判決が確定します。
離婚訴訟からここまでは、ケースバイケースですが6か月〜1年半程度かかるといわれています。

離婚請求を認める判決が確定すれば、裁判離婚が成立するので、あとは離婚届を提出だけです。
手続きは原則的に原告が行い、離婚成立後10日以内に、離婚届に必要書類を添えて役所に提出します。
調停や審判同様、離婚届に相手の署名押印や証人は不要です。

判決に不服があれば控訴を

判決に不服があれば、2週間以内に控訴することができます。
この場合、第1審は家庭裁判所でしたが、第2審は高等裁判所で争うことになります。

控訴するのは、敗訴した側だけとは限りません。
判決は、離婚の可否のほかに、請求された財産分与や慰謝料、子どもの親権、養育費などについても下されるので、たとえば、離婚は認められても慰謝料の棄却が不服とか、財産分与に納得がいかないなどの場合、一部敗訴部分について納得がいかないなどの場合、一部敗訴部分について控訴することができます。

ただし、判決内容の一部であっても、控訴すれば判決は確定しないので、離婚も確定しません。
離婚だけでもしたい場合は、裁判の継続中に、協議離婚というかたちで離婚届を提出することは可能です。
控訴すればさらに時間も費用もかかるわけですから、どうするかは弁護士とよく相談して決めるとよいでしょう。

最高裁判所への上告

日本の法律では、裁判は3審が採用されているので、第2審の判決も納得できなかったら最高裁判所に上告できます。
ただし、上告理由には制限があり、第2審の判決が「憲法に違反していること」や「判決に影響をおよぼすことが明らかな法令の違反に相当すること」などとされています。

夫の暴力や妻の浮気などの事実関係についての理由では棄却されるので、慰謝料や財産分与などについて争えるのは第2審までと心得ましょう。